2013年03月12日

労働時間

<みなし制の適用要件>
この制度の第一の要件は、事業場の外で労働がなされることです。労働の一部が事業場外で行われ、残りが事業場内で行われる場合は、事業場外での労働についてのみ、みなし計算がなされます(昭63.3.14基発150号)。これによると、一部事業場外労働において所定労働時間みなしを行う場合は、原則として、事業場外労働に対応する部分(事業場内労働の時間を除いた部分)の所定労働時間がみなしの対象となると考えられます。たとえば、午前中は自宅から営業先に直行し、午後4時以降事業場に戻って内勤業務を行う場合は、午後4時までは所定時間労働したものとみなされ、それ以後は実労働時間で計算して、両者の合計を1日の労働時間として取り扱うことになります。
次に、みなし制を適用するためには、労働時間を算定しがたいことが第二の要件となります。労働時間を算定しがたいかどうかは、使用者の具体的な指揮監督や時間管理が及ぶか否かなどにより判断されます。行政解釈(昭63.1.1基発1号(3.労働時間の算定(1).事業場外労働に関するみなし労働時間制 ロ.事業場外労働の範囲))によれば、a.業務を行うグループの中に時間管理者が含まれる場合、b.無線やポケットベル(当時は携帯電話がまだ普及していませんでした)により随時使用者の指示を受ける場合、c.訪問先や帰社時刻などにつき具体的な指示を受けてその指示どおりに業務を行い、その後事業場に戻る場合は、この要件を充たさないとされています。最近では携帯電話や携帯端末を使う労働者が増えていますが、これらにより随時指示を受ける場合も同様といわざるをえないでしょう。したがって、厳密に言えば現在では、外回りで働く営業職やセールス職の労働者のほとんどはみなし制の適用対象とはならないことになります。
この制度のもとでみなし制により処理を行う場合は、所定労働時間によるのが原則です。しかし、上述したように、当該業務を行うのには所定時間を越えて労働することが通常必要である場合には、その通常必要な時間につきみなしが行われます。どのくらいの時間が通常必要であるかは判断が難しいこともありますので、事業場の過半数組合、そのような組合がない場合は過半数代表者との労使協定により「通常必要な」時間を定めることができます。ただし、当該業務の遂行に通常必要とされる時間は時とともに変化することが考えられるので、協定には有効期間の定めをしなければなりません(労働基準法施行規則24条の2第2項)。また、この協定は届出が必要です(労基法38条の2第3項)。
<みなし制の効果>
さて、この制度により労働時間のみなし計算がなされる場合には、労基法上の労働時間規制への違反の有無(所定時間みなしの場合)、あるいは時間外労働についての割増賃金の額(通常必要時間みなしの場合)は、あくまでもみなし時間を基準に判断します(「みなし」とは、反証を許さないという意味です)。ただし、「通常必要とされる時間」を使用者が一方的に決定してみなし処理を行った場合には、それに不服な労働者が、より長い「通常必要とされる時間」を主張立証する余地は残されています。
また、このようなみなし時間制は、労基法第4章の労働時間の計算に関してのみ用いられるもので、年少者の労働時間規制等には適用されません。もちろん、みなしにより計算された時間が法定労働時間を超えたり深夜業がなされたりする場合には、割増賃金が必要となります。また、休憩や休日に関する規定も適用されます(昭63.1.1基発1号(3.労働時間の算定(1).事業場外労働に関するみなし労働時間制 ニ.みなし労働時間制の適用範囲))。
posted by mono5353 at 11:06| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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